【夢のような株式投資型クラウドファンディング】
このようにクラウドファンディングには5つの型ある。
この中で事業成長意欲のある社長にとって最も利用価値が高いのが株式投資型クラウドファンディングだ。不動産などの担保も不要、資本金なのでもちろん返済も不要、しかもまとまった資金をプラットフォーマーが集めてくれる。万が一の時でも安心安全な資金調達手法だ。解説していこう。
株式投資型クラウドファンディングを一言で言うとインターネットを使って不特定多数の株主を募集する制度だ。
エンジェル投資家という言葉を聞いたことがあるだろうか。エンジェルつまり天使だ。志の高い社長に対して応援の心を持って資金を提供する投資家のことだ。多くの場合増資に応じるという方法で投資する。社長から言えば新規に株を発行して買ってもらい株主になってもらうということだ。日本には3万人程度のエンジェル投資家がいると推計している。
このような投資家と志の高い社長をマッチングする仕事を四半世紀近くしてきたが、一貫してず~っと投資過多の状態だ。つまりお金を出したい人の方が挑戦する社長よりも多い状態だ。だから実際に募集するとあっという間に資金調達は完了する。金額が限定しているので抽選になった経験も一度や二度ではない。ただし、現在の株式投資型クラウドファンディングは先着順なので抽選はない。
さて、挑戦への手順だがまずはプラットフォーマーの審査に挑戦だ。挑戦は誰でもできる。審査に受かると調達額を決めて募集する。法律で年間の上限は1億円と決まっている。1年経てばまた追加で募集できる。実際の平均は3000万円程度とかなり高額だ。投資する側は1人50万円が上限と法律で決まっている実態は23万円。つまり1回で100~150人の株主が現れるということだ。募集期間は1週間から3週間程度。集めてもらう手間や審査料など諸々含めてプラットフォーマーに支払うのは集まった額の20%程度だ。購買型も20%程度と同じだが集まるのは100~300万円でしかも社長が自分で集めなければならないが、株式投資型なら集めてくれる手数料込みだ。しかも3000万円が平均だ。こうしてみると購買型は資金調達というよりも単なる売上アッププロモーションにしか見えない。
購買型のクラウドファンディングで資金調達に失敗したという話はよく聞く。そのことと投資過多ですぐに集まるという話の矛盾。これは本質的な事業の成功を目指すか目の前の資金調達を目指すかの違いによって起こる現象だ。詳しくお話しよう。